このたび、Hideharu Fukasaku Gallery Roppongi では中根航輔氏の個展「Anitinomie garden」を開催致します。弊廊では初めての個展開催です。
東京藝術大学で日本画を学んだ中根は、画材や技法を活かしながら「日本画」のジャンルにとらわれない作品を発表する作家です。
中根の作品は平面の画面に幾何学的な形態を配置する、平面作品でありながら立体性も伴うのが特徴です。そこには絵画に対する見方という、美術における根本的な問いかけが込められています。
伝統的な日本画の特徴は、岩絵具の色調や金銀の箔を使用した平面性です。その一方で、近代以降は西洋の絵画技法が浸透し、日本画にも遠近法や明暗法などが取り入れられていきます。平面と立体、双方の要素を持つ作品は、複雑な経緯を辿った日本画を学んだ作家ならではの視点に基づくものといえるでしょう。本展では、シェイプド(変形)パネルに岩絵具を用いた立体作品でもあるような平面作品「Hako-niwa」シリーズを紹介致します。
「平面性と立体性とが混在する二律背反のような庭を通して、“もの”の見方の転換やその本質を問う場になれば」と語る中根。
絵画、そして“もの”を見ることについて考えるきっかけとなる展覧会です。