永岡は岩絵具や膠をはじめとする日本画の素材を使い、古典技法を活かした作品を発表しています。描く対象は、主に作家が実際に出会い・触れたことのある動物たちです。可愛いだけではない、動物たちのあるがままの姿に美を感じるという永岡。その感動を絵に残しているといいます。動物を描く理由について、動物とは言葉を交わすことはできないが、できないからこそ筆を執ることで理解しようとしていると語ります。
本展では繊細な筆致と柔らかな色遣いで描かれた動物たちの作品を紹介予定です。作品を通じて分かり合あう試みの大切さを感じていただければ幸いです。
■作家ステートメント: 実際に出会ったことのある動物たちを中心に描いてきました。姿形は全く異なるにも関わらず、同じような表情をして、似たような感情を抱き、それでいてどこか人の世界と線引きされたような存在として、知り尽くすことのできない感じたままの姿を絵に残そうとしてきました。言葉を交わすことができないからこそ視線を向け、筆を取り、画面に描くことでなんとか理解しようとしていたのかもしれません。
知らないまま判断することは簡単ですが、理解しようと試みることは自分にとって何よりも重要な行為であり、わかり合おうとし続けることの大切さを彼らは教えてくれるのです。