このたび、Hideharu Fukasaku Gallery Roppongi では「額賀苑子個展 かげの吐息」を開催致します。2019年、21年に続く弊廊では3回目の個展です。
2015年東京藝術大学大学院美術研究科彫刻専攻を修了した額賀は、陶やテラコッタを主な素材とした彫刻を発表しています。
額賀は存在することや見ることの不確かさ・あやふやさを、彫刻を通じて考察と表現を試みています。
額賀の作る立体はどこか歪んでいたり斜めだったりと、鑑賞者に不安定な印象を抱かせます。しかし、額賀は敢えてズレを取り込むことで彫刻の物質としての脆さだけでなく、私たちが見ている対象とその奥にある真相との隔たりを明らかにしようとします。
様々な情報が溢れ、本質を掴むことが困難な現在。彫刻という存在感のある媒体に不安定で曖昧な要素を取り入れる額賀の作品は、鑑賞者に物事の本質は何かを考えさせます。
本展では額賀が旅先で触れた文化や造形・記憶などをたよりに、彫刻のほかドローイングも交えた展示を予定しております。